電気計測器の会社に雇用され定年を迎えた労働者が、継続雇用制度によって継続雇用されたと主張して、労働契約上の地位の確認を求めるとともに未払賃金等の支払を請求し、これに対し会社は、改正後の高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に基づき制定した「高年齢者継続雇用規程」(継続雇用規程)の定める継続雇用の基準を労働者が満たしていなかったとして争った事案の控訴審である。
第一審大阪地裁は、労働者は継続雇用規程に定める再雇用の基準(保有資格、業務習熟度、社員実態調査結果、賞罰実績)を満たしているとして地位確認を認め、賃金請求については、確定判決までの主位的請求を棄却し、予備的請求を認め賃金支払を命じた(将来請求は却下)。会社が控訴。労働者も敗訴部分の取消しを求め附帯控訴し、賃金請求に係る遅延損害金の支払を追加して請求。
第二審大阪高裁は、継続雇用規程及び雇用継続基準は適法とした上で、継続雇用規程における業務習熟度表、社員実態調査票等から総合点数を求めても労働者は基準を満たすのにもかかわらず会社が承諾しなかったものであり、不承諾は権利濫用であるから継続雇用契約が成立したものというべきであるとして、原審を支持し控訴を棄却した。
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律9条1項
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律9条2項
民法1条
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