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【令和9年度概算要求】建設業の人材確保・育成施策!CCUS活用で助成金1.1倍・資格試験補助など最新支援策を社労士が解説

岸和田THREE社労士事務所
9月25日
読了時間: 6分

建設業界における「2024年問題(時間外労働の上限規制適用)」から月日が経過し、現場の労働環境改善や生産性向上への取り組みが進む一方、依然として業界全体を揺るがしているのが「深刻な人手不足と高齢化」です。


厚生労働省および国土交通省が公表した資料によると、建設技能者のうち60歳以上が約4分の1(約25%)を占める一方で、29歳以下の若手は全体のわずか約12%(約8人に1人)にとどまっています。地域のインフラや社会基盤を維持するためにも、若い担い手の確保・定着は一刻の猶予も許されない最優先課題です。


こうした状況を打ち破るべく、厚生労働省と国土交通省が連携して公表したのが「令和9年度 建設業の人材確保・育成に向けた予算概算要求」です。


今回の概算要求では、「人材確保」「人材育成」「魅力ある職場づくり」の3つを重点施策とし、助成金の拡充や現場の環境整備に向けた手厚い予算が盛り込まれました。特に注目すべきは、CCUS(建設キャリアアップシステム)との強力な連動です。


今回は、建設業に強い社労士の視点から、経営者や人事担当者が今すぐ押さえておくべき最新支援策と実務のポイントを徹底解説します!

建設業の人材確保・育成に向けて 厚生労働省
建設業の人材確保・育成に向けて 厚生労働省


1. 令和9年度概算要求の全体像:「CCUS活用」がカギを握る

今回の発表において、両省を貫く最大の共通ワードが「CCUS(建設キャリアアップシステム)」の普及・活用促進です。


これまでも経営事項審査(経審)での加点対象や公共工事での評価項目として活用されてきたCCUSですが、令和9年度の施策では「助成金の支給額アップ」「ハローワークでのマッチング優遇」など、採用・労務・金銭面のすべてにおいて優遇措置がさらに強化されています。


国の方向性は明確です。「CCUSを導入し、技能者の能力や経験を可視化して適正な処遇を行う企業を重点的に支援する」というメッセージにほかなりません。



2. 【注目ポイント1】助成金の拡充(人材開発支援助成金・人材確保等支援助成金)

建設事業主向け助成金全体として73億円(前年度71億円から増額)が要求されました。経営者が特に注目すべき拡充ポイントは以下の通りです。


① 人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)の拡充

技能実習や講習受講時の費用・賃金を助成する本制度において、2つの大きな見直しが要求されています。


  • CCUSカード登録者への賃金助成が【1.1倍】に増額

    受講者がCCUSカードを保有している場合、通常の賃金助成額に1.1倍のプレミアムが乗せられます。


  • 一部の資格試験費用も経費助成の対象へ追加

    これまで講習受講費用が中心だった助成対象に、一部の資格試験の「受験費用」そのものが追加される方針です。資格取得を積極的に推進する企業にとって大きな追い風となります。


② 人材確保等支援助成金(CCUS等活用促進コース)の継続・定着

中小建設事業主が、能力評価制度のレベル判定に応じて技能者の賃金を5%以上引き上げ、かつ全員のCCUS技能者登録(詳細型)を行うことで、技能者1人あたり16万円(一事業年度最大160万円)が支給される取り組みも引き続き強力に推進されます。また、登録手数料に係る助成(普及促進事業)も令和9年度末まで延長される見込みです。



3. 【注目ポイント2】ハローワークでのマッチング支援と「採用」への影響

人手不足に悩む中小建設会社にとって、今回の概算要求におけるハローワーク関連の施策(68億円)も見逃せません。


全国のハローワークに設置されている「人材確保対策コーナー」において、建設業の求職者に対し、「CCUS登録済みの建設事業主」の求人情報を優先的に提供し、応募を強力に奨励(勧奨)する取り組みが実施されます。


つまり今後は、「CCUSに登録しているかどうか」がハローワーク経由での求職者の集まりやすさに直結することになります。単なる管理ツールではなく、「採用力を高めるための必須ツール」へと変化しているのです。



4. 【注目ポイント3】若手・女性の入職促進と「離職を防ぐ」職場環境づくり

「せっかく採用してもすぐに辞めてしまう」という課題に対し、国は以下の施策で定着をバックアップします。


  • 「つなぐ」化事業・高校生向けアプローチ(33百万円)

    高等学校(工業科・普通科)や高等専門学校の生徒・教員を対象に、出前授業や現場見学会を開催。地元の若年層と建設企業との接点を創出します。


  • 雇用管理責任者等研修の拡充(1.1億円)

    従来の基礎講習に加え、現場のコミュニケーション改善や指導力を高める「コミュニケーションスキル等向上コース」が新設・実施されます。指導者のスキル向上を通じて、若手の早期離職を防ぐ狙いがあります。


  • 「働き方改革推進支援助成金」の継続

    適正な工期設定や労働時間短縮、休日確保(週休2日制の導入)に取り組む中小建設事業者への助成も引き続き実施されます。



5. 今から建設会社が準備しておくべき「3つのアクション」

概算要求はあくまで国の予算計画(要求段階)であり、最終的な金額や支給要件は12月の政府案閣議決定、翌年3月の国会成立を経て確定します。


しかし、国の施策の方向性が「CCUS中心」であることは明白です。12月を待つことなく、今すぐ社内で取り組むべきアクションをまとめました。


  1. 自社のCCUS登録状況の棚卸しを行う

    自社の技能者のうち何人が登録済みか、また助成金要件となる「詳細型登録」ができているかを確認しましょう。


  2. 社内の資格取得・技能講習のスケジュールを見直す

    来年度に向け、社員に取得させるべき資格や受講させる講習をリストアップし、助成金申請(賃金助成1.1倍や資格試験補助)の計画を立てておきます。


  3. 賃上げと能力評価(レベル判定)の連動を検討する

    技能者の能力評価レベルが上がった際に、賃金を5%以上昇給させる社内規定や運用ルールを整えておくことで、各種助成金の受け皿を作ることができます。



6. 総括:労務コンプライアンスと助成金活用の一体化を

令和9年度の予算概算要求から見えてくるのは、「労務環境の整備(働き方改革・適正な労務費)」「技能者の処遇改善(賃上げ・CCUS)」「助成金活用」が完全に一体化しているという現実です。


単に助成金を申請するだけでなく、自社の雇用管理体制を整え、CCUSをフル活用することが、結果として「若手に選ばれる魅力ある建設会社」への一番の近道となります。


「自社のCCUS活用状況で使える助成金を知りたい」

「建設業特有の労務管理や就業規則、助成金申請のサポートをしてほしい」


このようにお悩みの建設業の経営者様・人事ご担当者様は、ぜひお気軽に当事務所までご相談ください。






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