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【2027年4月施行】技能実習から「育成就労制度」へ!企業が今すぐ知っておくべき変更点と実務の備え

  • 岸和田THREE社労士事務所
  • 1 日前
  • 読了時間: 6分

日本の外国人材採用において、今もっとも注目されている一大改革といえば「育成就労(いくせいしゅうろう)制度」の創設です。

従来の「技能実習制度」が発展的に解消され、新たな枠組みへと生まれ変わることが決定しています。施行予定は令和9年(2027年)4月1日

「名前が変わるだけじゃないの?」と思っている方も多いかもしれませんが、中身は制度の根幹からガラリと変わる大改革です。今回は、この新制度の背景から、企業が今から準備すべき実務のポイントまで、分かりやすく徹底解説します!


1. なぜ変わる?「育成就労制度」誕生の背景と目的

新制度を理解するために、まずは「なぜこれまでの技能実習制度が廃止されるのか」という背景を押さえておきましょう。

技能実習制度が抱えていた「建前と本音」の課題

1993年に始まった技能実習制度は、もともと「日本の技術を途上国へ伝える(国際貢献)」という目的(建前)で創設されました。しかし実態は、深刻な人手不足に悩む日本企業を支える「労働力の確保(本音)」として機能してきた歴史があります。

この「建前と本音のズレ」から、以下のような構造的な問題が長年指摘されてきました。

  • 原則として「転籍(転職)」ができない(人権侵害や低賃金労働の温床に…と国際社会からも批判)

  • 実習終了後のキャリアパスが不透明(優秀な人材が日本に残りにくい)

こうした課題を根本から解決し、外国人材の権利を守りながら、企業の「人手不足」にも堂々と応えられるように作られたのが、今回の「育成就労制度」です。

育成就労制度の基本概要

新制度の目的は、ズバリ「人材育成」と「人材確保」の両立です。 人手不足が深刻な特定産業分野(製造業、建設、農業、介護など)において、最長3年間の就労を通じてスキルをしっかり育て、その後は「特定技能1号」へスムーズにステップアップしてもらう仕組みになっています。


2. ここが違う!技能実習と育成就労の「5つの大変化」

「技能実習」から「育成就労」への移行による、雇用者側への影響が大きい5つの変更点をまとめました。まずは一覧表で比較してみましょう。

📊 技能実習 vs 育成就労 比較表

項目

従来の「技能実習制度」

新しい「育成就労制度」

制度の目的

国際貢献・技能移転(建前)

人材育成・人材確保(本音・実態に即す)

在留期間

最長5年

3年(その後、特定技能へ移行が前提)

転籍(転職)

原則不可

一定条件下(1年〜2年経過後など)で可能に

日本語要件

明確な基準なし

入国時:A1(N5相当)、移行時:A2(N4相当)

キャリアパス

不透明

特定技能1号・2号への道筋が明確

各ポイントの詳細を掘り下げてみていきましょう。

① 目的の明確化:労働力としての受け入れを「公認」

これからは「国際貢献」という建前をなくし、企業は「労働力を確保し、しっかり育てる」という本来の目的で堂々と受け入れができるようになります。その分、日本人と同等以上の適切な待遇や、計画的な育成環境を用意する責任がセットになります。

② 転籍(転職)ルールの緩和【最重要!】

企業にとって最大の変更点がこれです。これまでは原則転職ができませんでしたが、新制度では「同一分野内であれば、1年または2年経過後に本人の希望での転職(転籍)」が認められる方向で検討されています。

  • 企業側のリスク: 職場環境や待遇が悪いと、他社に逃げられてしまう。

  • 企業側のチャンス: 他社で育った優秀な人材を中途採用できる。

今後は「外国人材から選ばれる職場づくり」が、採用成功の鍵を握ることになります。

③ 日本語能力が「段階的な必須条件」に

これまでは曖昧だった日本語力に、明確な基準が設けられます。

  • 入国時: CEFR A1レベル(日本語能力試験 N5相当)

  • 特定技能1号への移行時: CEFR A2レベル(N4相当)

現場での指示不足による安全事故や品質トラブルを防ぐためにも、企業側が「日本語学習をサポートする体制」を整えることが求められます。

④ 「長期雇用」への明確なルート開通

育成就労(3年)を修了した外国人材は、試験が免除されて「特定技能1号」へ移行できます。さらにその先の「特定技能2号」にステップアップすれば、在留期間の上限がなくなり、家族を日本に呼ぶことも可能です。

つまり、「育成就労からスタートして、将来の会社の中核を担うリーダーにまで育て上げる」という長期的な人材戦略が組めるようになります。

⑤ 監理体制の強化と受入企業の義務

受入企業には、これまで以上に「実質的な育成」が求められます。形式的な受け入れは通用しなくなり、以下のような実務負担やマネジメント体制の確立が必要になる見込みです。

  • 受入前の詳細な「育成計画」の策定と提出

  • 定期的(月次・四半期)な育成進捗の報告と評価

  • 定期的な面談の実施と記録

  • 日本語学習や技能試験に向けた計画的なサポート

  • 労働条件や生活面に関する相談窓口の設置


3. 企業が今から準備すべき「実務上の4大ポイント」

2027年4月のスタートに向けて、企業はどのようなスケジュールで動けば良いのでしょうか?今から押さえるべき対策を解説します。

① 「同一労働同一賃金」の徹底

新制度では、外国人であることを理由とした賃金格差は完全にNGです。日本人従業員と同等以上の賃金水準の確保はもちろん、技能レベルに応じた明確な「賃金テーブル(評価基準)」を社内に整備しておきましょう。

② 信頼できる「監理団体」の選定

制度が変わっても、基本は監理団体(新制度での新名称・役割は今後詳細決定)を通じた受け入れが中心となります。特に製造業などの専門現場では、業界特有の安全管理や品質管理に理解があり、外国人材の母国語サポートが手厚いパートナー(団体)を今から比較・選定しておくことが重要です。

③ 現役の「技能実習生」への経過措置

2027年4月の時点で、すでに自社にいる技能実習生については、実習期間が満了するまでは従来のルールが適用される見込みです(経過措置)。

ただし、彼らが実習終了後に「特定技能1号」への移行を目指す場合は、新しい日本語要件などが必要になる可能性があるため、今から日本語学習を支援しておくのがベストです。

④ 2027年に向けた企業のロードマップ

新制度をスムーズに迎えるための、おすすめのアクションスケジュールです。

  • 2025年度中: 育成就労制度の情報をキャッチし、自社の採用方針を固める

  • 2026年前半: 伴走してくれる監理団体の比較検討・契約

  • 2026年中: 社内の育成計画、指導担当者の配置、社内規程の整備

  • 2026年後半以降: 現役実習生への日本語学習支援の強化

  • 2027年4月〜: 育成就労制度による、新しい受け入れスタート!


4. まとめ:ピンチをチャンスに変える人材戦略を

育成就労制度への移行は、一見すると「転職リスクの発生」や「書類・手続きの手間(管理負担)の増加」など、企業側の負担が増えるように思えるかもしれません。

しかし長期的視点で見れば、「不適切な競合他社が淘汰され、人を大切に育てるホワイトな企業に優秀な外国人材が集まる」という、健全で大きなチャンスの到来です。


3年で帰国してしまう労働力ではなく、将来の自社を支える「戦略人材」として外国人材を位置づけ、計画的な育成投資を行っていきましょう

 
 

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