top of page

【実務トレンド】育成就労制度の最新動向:タイ王国との初の協力覚書(MOC)が締結されました

岸和田THREE社労士事務所
7月3日
読了時間: 3分

2027年4月の「育成就労制度」のスタートに向けて、国(出入国在留管理庁、厚生労働省、外務省、警察庁)の動きが本格化しています。

令和8年6月4日、政府はタイ王国(労働省)との間で、育成就労制度に関する「協力覚書(MOC)」を締結したことを発表しました。 新制度において、人材の送り出し国と正式に覚書を交わしたのは今回のタイ王国が初めてとなります。

現行の技能実習制度から育成就労制度へ移行するにあたり、政府がどのような方針で国際的な枠組みを整えようとしているのか、公表された資料から重要となるポイントを客観的に整理します。


今回の協力覚書(MOC)が目指すもの

今回の合意の最大の目的は、日タイ両国が緊密に連携することで「育成就労外国人の保護」と「制度の適正な運用」を図ることにあります。

特に、これまでの技能実習制度において構造的な課題とされていた、高額な手数料を徴収する不適切な「仲介業者(悪質なブローカー)」を排除し、クリーンな受入環境を構築するための相互義務が明文化されました。


両国が約束した主な責務

覚書では、日本とタイの双方が適切なチェック機能を果たすための具体的な役割が定められています。

区分

主な約束・責務の内容

日本の省庁の責務

・適切な監理支援機関の許可、および育成就労計画の認定を行う。


・タイ側から不適切な受入企業(育成就労実施者)の通報があった場合は調査し、適切に対処する。


・許可や認定の取消しを行った場合はタイ側に通知する。

タイ政府の責務

・明確な審査基準のもとで「認定送出機関」の選定・管理を適切に行う。


・日本側からの通報に基づき、不適切な送出機関への調査・指導を行う。


・公的機関以外の勝手な送出機関の推薦を認めない。

実務上、特に注目すべき「重要なルール」

公表された別添資料(待遇基準や認定基準)を確認すると、今後の外国人雇用において、企業側および監理支援機関が遵守すべき「厳格なコンプライアンス」がより明確になっています。

  • 人権侵害の定義(妊娠・出産による帰国の禁止)

    契約において「妊娠・出産等を理由とした強制的な帰国」に関する条項を設けることは不適切であり、これらは人権侵害に該当すると再確認されました。これに違反した場合は、育成就労計画の認定取消しなどの対象となります。

  • 費用の透明化と上限設定

    外国人が認定送出機関に支払う費用は、「育成就労計画に記載された報酬月額の2ヶ月分を超えないこと」と明記されました。また、監理支援費などの経費を、直接的・間接的を問わず外国人に負担させることは明確に禁止されています。

  • 不当な違約金契約の禁止

    送り出し機関、受入企業、監理支援機関の間、あるいは外国人との間で、契約不履行に対する「違約金」を定めるような、不当に金銭の移転を予定する契約は一切認められません。


今後の見通し

タイ王国との間で初の覚書が交わされたことを皮切りに、今後はベトナムやインドネシアなど、他の主要な送り出し国とも順次、同様の協力覚書(MOC)の締結が進んでいくものと予想されます。


2027年春の施行に向け、受入枠(受入れ見込数)の設定や各産業分野の具体的な規則など、今後も精緻なインフラ整備が進められていきます。当事務所では、企業様が安定した人事・採用計画を中長期的に組み立てられるよう、引き続き公的な情報に基づいたアナウンスをいたします。


なお、今回の発表に関する詳細な報道発表資料や覚書の仮訳(日本語)は、出入国在留管理庁の公式ホームページで公開されています。


■ 関連リンク(一次情報)

 
 

未来の常識を創造し、

社労士として経営の決断に伴走する。

「守り」の労務コンプライアンスから、「攻め」の組織開発・先端事業支援まで。

先を見据える経営者の隣で、一歩先の勝ち筋を共に築く戦略的労務パートナー。​

まずはお気軽にご相談ください
大阪市中央区社労士

©2026 岸和田THREE社労士事務所 

bottom of page