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【令和8年最新】「シフト制」における雇用管理の留意点と有給休暇・休業手当の実務対応

  • 岸和田THREE社労士事務所
  • 2 日前
  • 読了時間: 4分

近年、パート・アルバイトを中心に「シフト制」での働き方が広がっています。

その時々の事情に応じて柔軟な時間設定ができるという労使双方のメリットがある一方で、勤務変更や休業時の対応などをめぐり、実務上の運用に悩まれる現場も少なくありません。

こうした背景から、厚生労働省は令和4年に策定された「シフト制の留意事項」を、令和8年6月に改正しました。

今回の改正では、特に判断が分かれやすい「シフト制労働者の年次有給休暇」の具体的な取扱いが明確化されています。

本記事では、経営者や労務担当者様が押さえておくべき実務上のポイントを客観的に整理します。


1. そもそもガイドラインにおける「シフト制」の定義とは?

このガイドラインが対象とする「シフト制」とは、労働契約の締結時点では労働日や労働時間を確定的に定めず、一定期間ごとに作成される勤務シフト等によって初めて確定するような勤務形態を指します。

※あらかじめ就業規則等で勤務パターンが組み合わされている「三交替勤務(通常の交替制勤務)」などは、今回の留意事項の対象外です。


2. 労働契約の締結時に「書面」で明示すべきこと

労働契約の締結に際し、「始業・終業時刻」や「休日」を書面で明示することは労働基準法上の義務(労基法第15条)です。シフト制であっても以下のように具体的な明示が求められます。

  • 「始業及び終業の時刻」

    単に「シフトによる」とだけ記載するのは不足です。労働日ごとの始業・終業時刻を明記するか、原則的な時刻を記載した上で、契約締結と同時に一定期間分のシフト表等を併せて交付する必要があります。

  • 「休日」

    具体的な曜日が確定していない場合でも、「毎週少なくとも1回」または「4週間を通じて4日以上」など、休日の設定にかかる基本的な考え方を明記しなければなりません。


3. 【令和8年6月改正】年次有給休暇の取扱いがより厳格に

今回の改正のポイントは、シフト制労働者の年次有給休暇(有給)に関する取扱いの具体化です。雇用契約の時点で明記された条件に沿った適切な管理が求められます。

① 週の所定労働日数を算出しがたい場合の算出方法

「あらかじめ働く曜日や日数を約束していない」という場合であっても、以下の実績値を用いて「基準日における1年間の所定労働日数」とみなして、比例付与(週の所定労働日数に応じた日数)の有給を付与する必要があります。

雇入れから6か月経過時点:

最初の6か月間の労働日数の実績を2倍した日数

雇入れ1年6か月経過以降:

前年の労働日数の実績

② 有給取得時の賃金計算

有給を取得した日に支払うべき賃金について、時間給の場合は、「有給を取得した日(本来シフトが入るはずだった日)の所定労働時間×時間給」の支払いが原則です。

※実際の勤務日(シフト日)と所定労働日数が乖離しないよう、会社の一方的な都合で所定労働日数を増減させることは認められません。


4. シフトカットと「休業手当」の支給基準

経営状況の変動や店舗の繁閑により、会社側の都合でシフトを減らしたり、いったん確定したシフトをキャンセルしたりした場合、「使用者の責に帰すべき事由」による休業として、平均賃金の6割以上の休業手当の支払い義務が発生する場合があります(労基法第26条)。

  • シフト確定前の段階であっても、「目安となる労働日数(例:月15日程度勤務)」等が労働契約で定められている場合、それに満たない日数を一方的に減らすことは休業手当の対象となり得ます。

  • シフト確定後のキャンセルは、労働条件の「一方的な変更」にあたるため、原則として労使双方の合意が必要です。


5. 円滑な運用のための「シフト管理ルール」の明文化

労使双方にとって予見可能性を高め、円滑な現場運営を行うためには、労働契約書や就業規則において、あらかじめ以下のような「シフトの作成・変更ルール」を話し合って合意し、明文化しておくことが望まれます。

  • シフト決定の通知期限と方法(例:毎月〇日までにメール等で通知する)

  • シフト変更・キャンセル時の変更申請の手続と期限

  • 一定期間中の「上限となる労働日数・目安となる労働日数・最低限の労働日数」

近年、労働基準監督署による調査等でも、パート・アルバイトの雇用管理状況や有給の管理体制、休業手当の支払状況は重視される傾向にあります。


法的なルールを整備することは、トラブルを防ぐためだけでなく、働く方が安心して力を発揮できる環境を整え、人手不足時代における優秀な人材の定着(リテンション)を促すための、企業経営における大切な取り組みの一つと言えます。


今回の最新改正を踏まえた雇用契約書の見直しや、現場の実態に即した就業規則の改定、

労務管理に関する専門的なサポートを行っております。


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