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  • 岸和田THREE社労士事務所
  • 2024年10月23日

従前、定年が55歳で、勤務に耐え得る健康状態の労働者は58歳まで在職することができたが、使用者が就業規則を変更し、定年を55歳から60歳に延長するとともに、

55歳以降の賃金を引き下げたため、55歳以降の賃金が54歳時の67 %に低下し、58歳まで勤務して得ることを期待することができた賃金額を60歳定年近くまで勤務しなければ得ることができなくなったことについて、就業規則の不利益変更の合理性が認められた事案。



(判決の要旨)

右にいう当該規則条項が合理的なものであるとは、当該就業規則の作成又ば変更が、

その 必要性及び内容の両面からみて、それによって労働者が被ることになる不利益の程度を考慮しても、なお当該労使関係における当該条項の法的規範性を是認することができるだけの合理性を有するものであることをいい、

特に、賃金、 退職金など労働者にとって重要な権利、労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については、 当該条項 、そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容することができるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において、 その効力を生ずるもの と い うべきである。


右の合理性の有無は、 具体的には、 就業規則の変更によって労働者が被る不利益の程度、 使用者側の変更の必要性の内容 ・ 程度、 変更後の就業規則の内容自体の相当性、 代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況、 労働組合等との交渉の経緯、 他の労働組合又は他の従業員の対応、 同種事項に関する我が国社会における-般的状況等を総合考慮して判断すべきである。


  • 岸和田THREE社労士事務所
  • 2024年10月16日

更新日:2025年1月25日

就業規則において店長以上の職位の従業員を労基法41条2号の管理監督者として扱っているハンバーガー販売会社の直営店の店長が、会社に対して過去2年分の割増賃金の支払等を求めた事案である。


東京地裁は、労基法の労働時間等の労働条件は最低基準を定めたもので、これを超えて

労働させる場合に所定の割増賃金を支払うべきことは全ての労働者に共通する基本原則であり、管理監督者とは、企業経営上の必要から、


経営者と一体的な立場で労働条件の枠を超えて事業活動することもやむを得ないような重要な職務と権限を付与され、また、賃金等の待遇においても優遇措置が取られている者のことをいうとし、


その上で、本件店長は、アルバイトの採用や育成、勤務シフトの決定等の権限を有し、

店舗運営について重要な職責を負ってはいるがその権限は店舗内の事項に限られ、

企業経営上の必要から経営者と一体的な立場での重要な職務と権限を付与されているとはいいがたく、賃金実態も管理監督者の待遇として十分とはいい難いとして、

管理監督者に当たるとは認められないと判示した。



ハンバーガー直営店の店長が、会社に対して過去2年分の割増賃金の支払等を求めた事案(労働者勝訴)



# 労働基準法

#労働法


  • 岸和田THREE社労士事務所
  • 2024年10月9日

二か月の労働契約を五回にわたって更新してきた臨時員に対する更新拒絶につき、解雇に関する法理を適用すべきであるが、更新拒絶はやむを得ないものとして、原審の判断を正当とした事例。



(1) 上告人は、昭和四五年一二月一日から同月二〇日までの期間を定めて被上告人の柏工場に雇用され、同月二一日以降、期間二か月の本件労働契約が五回更新されて昭和四六年一〇月二〇日に至った臨時員である。(2) 柏工場の臨時員制度は、景気変動に伴う受注の変動に応じて雇用量の調整を図る目的で設けられたものであり、臨時員の採用に当たっては、学科試験とか技能試験とかは行わず、面接において健康状態、経歴、趣味、家族構成などを尋ねるのみで採用を決定するという簡易な方法をとっている。(3) 被上告人が昭和四五年八月から一二月までの間に採用した柏工場の臨時員九〇名のうち、翌四六年一〇月二〇日まで雇用関係が継続した者は、本工採用者を除けば、上告人を含む一四名である。(4) 柏工場においては、臨時員に対し、例外はあるものの、一般的には前作業的要素の作業、単純な作業、精度がさほど重要視されていない作業に従事させる方針をとっており、上告人も比較的簡易な作業に従事していた。(5) 被上告人は、臨時員の契約更新に当たっては、更新期間の約一週間前に本人の意思を確認し、当初作成の労働契約書の「4雇用期間」欄に順次雇用期間を記入し、臨時員の印を押捺せしめていた(もっとも、上告人が属する機械組においては、本人の意思が確認されたときは、給料の受領のために預かってある印章を庶務係が本人に代わって押捺していた。)ものであり、上告人と被上告人との間の五回にわたる本件労働契約の更新は、いずれも期間満了の都度新たな契約を締結する旨を合意することによってされてきたものである。


 以上の認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として肯認することができ、その過程に所論の違法はない。


 原審の確定した右事実関係の下においては、本件労働契約の期間の定めを民法九〇条に違反するものということはできず、また、五回にわたる契約の更新によって、本件労働契約が期間の定めのない契約に転化したり、あるいは上告人と被上告人との間に期間の定めのない労働契約が存在する場合と実質的に異ならない関係が生じたということもできないというべきである。



 柏工場の臨時員は、季節的労務や特定物の製作のような臨時的作業のために雇用されるものではなく、その雇用関係はある程度の継続が期待されていたものであり、上告人との間においても五回にわたり契約が更新されているのであるから、このような労働者を契約期間満了によって雇止めにするに当たっては、解雇に関する法理が類推され、解雇であれば解雇権の濫用、信義則違反又は不当労働行為などに該当して解雇無効とされるような事実関係の下に使用者が新契約を締結しなかったとするならば、期間満了後における使用者と労働者間の法律関係は従前の労働契約が更新されたのと同様の法律関係となるものと解せられる。


(2) しかし、右臨時員の雇用関係は比較的簡易な採用手続で締結された短期的有期契約を前提とするものである以上、雇止めの効力を判断すべき基準は、いわゆる終身雇用の期待の下に期間の定めのない労働契約を締結しているいわゆる本工を解雇する場合とはおのずから合理的な差異があるべきである。


(3) したがって、後記のとおり独立採算制がとられている被上告人の柏工場において、事業上やむを得ない理由により人員削減をする必要があり、その余剰人員を他の事業部門へ配置転換する余地もなく、臨時員全員の雇止めが必要であると判断される場合には、

これに先立ち、期間の定めなく雇用されている従業員につき希望退職者募集の方法による人員削減を図らなかったとしても、それをもって不当・不合理であるということはできず、

希望退職者の募集に先立ち臨時員の雇止めが行われてもやむを得ないというべきである。

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