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【運送業の労務実務】拘束時間・休息期間のオーバーを防ぐ!改善基準告示をクリアする運行管理のポイント

岸和田THREE社労士事務所
8月31日
読了時間: 4分

運送業(トラック事業)の経営者様や運行管理者様から、最も多く寄せられる悲鳴のようなご相談が「新・改善基準告示の拘束時間と休息期間が、どうしても現場で守りきれない」というお悩みです。


2024年の法改正以降、労働基準監督署による監督指導や、トラック協会による「適正化巡回指導」のチェック項目は非常に厳格化しています。


「デジタコやアナログのデータで拘束時間がオーバーしてしまう」

「手書きの運転日報で管理しているが、集計が追いつかず違反に気づけない」

「荷待ち時間(順番待ち)のせいで、必要な休息期間が確保できない」


今回は、デジタコの有無にかかわらず、現場の運行管理で特にトラブルになりやすい「拘束時間・休息期間」の違反を防ぐ実務ポイントを分かりやすく解説します。



1. 再確認!「拘束時間」と「休息期間」の厳格な基本ルール

まずは、運行管理の基準となる基本ルール(原則)を正しく把握しておくことが重要です。


■ 拘束時間の原則ルール
  • 1日(24時間)の拘束時間: 原則13時間以内

    (最大15時間まで延長可能だが、14時間を超える回数には制限あり)


  • 1ヶ月の拘束時間: 原則274時間以内

    (年間の特別協定を結ぶ場合でも最大284時間以内/年間3,300時間以内)


■ 休息期間(勤務と勤務の間の休み)の原則ルール
  • 1日の継続休息期間: 原則「継続11時間以上」を与えるよう努めること

    (最低でも「継続9時間以上」が絶対条件)


「以前は8時間あければOKだった」という感覚のまま運用していると、継続9時間未満になった時点で労基署の指導対象となります。



2. 現場で最も揉める「荷待ち時間」と「休息期間」のカン違い

現場で違反が多発する最大の原因が「荷待ち時間(手持ち時間)」の取り扱いです。


「指定された時間まで荷置き場で待機している時間」


「前浜や倉庫で順番待ちをしている時間」


これらは、ドライバーが自由に利用できる時間(=労働から完全に解放されている時間)ではないため、法律上は「労働時間(拘束時間)」としてカウントされます。


ドライバー自身が「車で寝ていたから休息時間だ」と主張したり、日報にそう記載していても、労基署やトラック協会の調査ではすべて拘束時間として扱われ、違反判定を受けることになります。



3. 「デジタコ未導入(手書き日報)」の会社が注意すべき盲点

「うちはデジタコを入れていないから大丈夫」「手書きの日報だから適当に調整できる」と考えている方は非常に危険です。


労基署の調査官は、手書き日報の記載時間だけを見るわけではありません。


ETCの利用履歴(通過時刻)


ガソリンスタンドの給油給油レシート


荷主側の納品伝票(タイムスタンプ)


これらと日報の時間を照らし合わせ、不自然なズレがあれば「労働時間の把握が不適切」「日報の改ざん」として厳しい指導を受けます。


デジタコがない会社こそ、「紙の日報やアナタコから正確に実時間を集計し、把握する管理フロー」を社内に作っておくことが不可欠です。



4. 違反を防ぐための運行管理・実務3つの処方箋

現場の運行ラインを維持しながら改善基準告示をクリアするためには、以下の実務対応を進めましょう。


① 「分割休息特例」の正しい活用

どうしても継続9時間の休息が取れない場合、一定の要件のもとで「1回当たり継続3時間以上、合計10時間以上(または12時間以上)」に分割して与える「分割休息」の特例が認められています。自社の運行ルートにこの特例が適用できるかシミュレーションすることが有効です。


② 荷主企業への「荷待ち時間削減」の交渉と記録

拘束時間オーバーの主原因が「荷主都合の荷待ち」である場合、荷主に対して改善要請を行う必要があります。日報やタコグラフで「発着時刻・荷待ち時間」を正確に記録・可視化し、客観的なデータとして荷主交渉に活用します。


③ 運送業に特化した「就業規則・36協定」の再整備

一般企業の36協定や就業規則をそのまま使っている運送会社様が散見されます。運送業特有の特別条項付き36協定や、改善基準告示に準拠した賃金・労務規程を整備しておかなければ、万が一の労基署調査時に会社を守ることができません。


まとめ

運送業の労務管理は全業種の中で最も複雑であり、かつ労基署やトラック協会の調査リスクが最も高い分野です。デジタコを導入している会社はもちろん、手書き日報やアナタコで運用している事業者様ほど、事前のリスク管理が重要になります。


「自社の運行管理や日報集計が改善基準告示をクリアできているか不安だ」

「運送業に特化した36協定や就業規則を見直したい」という運送事業の経営者様は、

ぜひ一度当事務所までご相談ください。


※8月8日に公開した『【厚労省・最新公表】運送業の労基署監督指導結果を解説!違反率81.2%の実態と経営者が取るべき対策』と合わせてご覧いただくと、より理解が深まります。


【出典・一次情報】


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