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  • 岸和田THREE社労士事務所
  • 2024年11月19日

更新日:2025年1月28日

営業マンに対する神戸から名古屋への転勤命令拒否を理由とする懲戒解雇につき、

本件における単身赴任となる生活上の不利益は、転勤に伴い通常甘受すべき程度のもので、本件転勤命令は権利濫用にあたらないとして、原審を破棄・差し戻した事例。


上告会社の労働協約及び就業規則には、上告会社は業務上の都合により従業員に転勤を命ずることができる旨の定めがあり、現に上告会社では、全国に十数か所の営業所等を置き、

その間において従業員、特に営業担当者の転勤を頻繁に行っており、被上告人は大学卒業資格の営業担当者として上告会社に入社したもので、両者の間で労働契約が成立した際にも勤務地を大阪に限定する旨の合意はなされなかったという前記事情の下においては、

上告会社は個別的同意なしに被上告人の勤務場所を決定し、これに転勤を命じて労務の提供を求める権限を有するものというべきである。


使用者は業務上の必要に応じ、その裁量により労働者の勤務場所を決定することができるものというべきであるが、転勤、特に転居を伴う転勤は、一般に、労働者の生活関係に

少なからぬ影響を与えずにはおかないから、使用者の転勤命令権は無制約に行使することができるものではなく、これを濫用することの許されないことはいうまでもないところ、

当該転勤命令につき業務上の必要性が存しない場合又は業務上の必要性が存する場合であっても、当該転勤命令が他の不当な動機・目的をもってなされたものであるとき若しくは労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき等、

特段の事情の存する場合でない限りは、当該転勤命令は権利の濫用になるものではないというべきである。

右の業務上の必要性についても、当該転勤先への異動が余人をもっては容易に替え難いといった高度の必要性に限定することは相当でなく、労働力の適正配置、業務の能率増進、労働者の能力開発、勤務意欲の高揚、業務運営の円滑化など企業の合理的運営に寄与する点が認められる限りは、業務上の必要性の存在を肯定すべきである。


 本件についてこれをみるに、名古屋営業所のA主任の後任者として適当な者を名古屋営業所へ転勤させる必要があったのであるから、主任待遇で営業に従事していた被上告人を選び名古屋営業所勤務を命じた本件転勤命令には業務上の必要性が優に存したものということができる。

そして、前記の被上告人の家族状況に照らすと、名古屋営業所への転勤が被上告人に与える家庭生活上の不利益は、転勤に伴い通常甘受すべき程度のものというべきである。

したがって、原審の認定した前記事実関係の下においては、本件転勤命令は権利の濫用に当たらないと解するのが相当。




更新日:2025年1月28日

Y社長崎造船所の従業員であるXら二七名が、右造船所では、完全週休二日制の実施に当たり、就業規則を変更して、所定労働時間を一日八時間(休憩時間は正午から午後1時までの一時間とする)とし、始業・終業基準として、

(一)始業に間に合うように更衣等を完了して作業場に到着し、所定の始業時刻に実作業を開始し、

(二)午前の終業においては所定の終業時刻に実作業を中止し、

(三)午後の始業に当たっては右作業に間に合うように作業場に到着し、

(四)午後の終業に当たっては所定の終業時刻に実作業を終了し、終業後に更衣等を行うこととされ、始業・終業の勤怠把握基準としては、従前の職場の入口又は控所付近に設置されたタイムレコーダーによる勤怠把握を廃止し、更衣を済ませ始業時に所定の場所にいるか否か、終業時に作業場にいるか否かを基準に判断する旨が新たに定められ、


当時Xらは実作業に当たり、作業服のほか保護具、工具等の装着を義務づけられ、

これを怠ると懲戒処分等を受けたり、成績査定に反映されて賃金の減収につながる場合があったところ、就業規則の定めに従って所定労働時間外に行うことを余儀なくされた

(1)入退場門から所定の更衣所までの移動時間、

(2)更衣所等において作業服のほか所定の保護具等を装着して準備体操場まで移動時間、(3)午前ないし午後の始業時刻前に副資材等の受出し・午前の始業時刻前の散水に要する時間、

(4)午前の終業時刻後に作業場から食堂等まで移動し、現場控所等において作業服等を一部離脱する時間、

(5)午後の始業時刻前に食堂等から作業場等まで、作業服等を再装着する時間、

(6)午後の終業時刻後に作業場等から更衣所等まで移動してそこで作業服等を脱離する時間、

(7)手洗い、洗面、洗身、入浴後に通勤服を着用する時間、

(8)更衣所等から入退場門まで移動する時間が、いずれも労働基準法上の労働時間に該当するとして、八時間を越える時間外労働に該当する右諸行為に対する割増賃金等を請求したケースのY側の上告審で、

一審と同様に、(2)、(3)及び(6)の諸行為に要した時間は、

いずれもYの指揮命令下に置かれているものと評価でき、労働基準法上の労働時間に該当するとしてXらの請求を一部認容した原審の判断が正当として是認できるとして、

Yらの敗訴部分取消しを求めた上告が棄却された事例。


賃金請求上告事件

労働基準法32条


  • 岸和田THREE社労士事務所
  • 2024年11月14日

旧A社と旧B社との合併により設立された株式会社Yの従業員X1及びX2が、

Yでは鉄鋼業界の構造不況の下において経営の合理化等を図る必要があったところ、

Xらの従事していた業務が会社Cへ委託されるのに伴い、

委託業務の円滑な遂行等を目的としてCへの出向を命じられ、その後もYでは厳しい経営環境が続いていたこともあって、3年ごとに右出向命令が3回延長されたことから、

Yに対し右出向命令が無効であるとして同出向命令の無効確認を求めたケースの上告審で、原審においては一審の結論と同様、本件出向命令には必要性、合理性が認められ、

権利濫用と評すること等はできないとして、X1らの請求が棄却されたが、

最高裁においても原審の判断が支持されて、X1らの上告が棄却された事例。



出向命令無効確認請求上告事件


労働基準法2章

民法625条

民法1条3項



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